馬革とは?「馬革と牛革」の違い 奥が深い馬革の世界
知れば知るほど奥が深い「ホースレザー」
今回はその魅力と牛革との違いをご紹介いたします。
馬革と牛革の違い
馬は牛と違い、とても運動量が多いので、余分な脂肪が少なくて皮が薄く、
軽くて柔らかい革になるのが特徴です。
馬革と牛革の違いは分かりやすいのは強度です。
一般的には牛革の方が強いといわれますが、牛革は馬革に比べ分厚くやや硬めで、
もし、同じ厚さ、同じ鞣し、同じ仕上げを行ったもので比較をすると、薄さの割に馬革の方が強いという結果になるのです。
強くて軽くて柔らかいという特徴を持つ馬革はインテリア、レザーウェアなどに多く使われ、財布などの男性用メンズ革小物にも使用されています。
柔らかく、手に馴染みやすい馬革「ホースレザー」
馬革全体の部位「ホースレザー」は柔らかく、手に馴染みやすい革です。
軽くて柔らかい「ホースレザー」はその上品な特性から「しなやかな革」とも呼ばれます。
中でも天然の植物性のなめし剤のみでなめされた「ホースヌメ」と言われる革は使うほどにエイジングし経年変化を楽しめる革です。
また、馬革の中でも「コードバン」と言われる革も馬革で、馬のお尻部分だけを使った硬質な革になります。
軽くやわらかい「ホースレザー」に対して、硬くてハリがある「コードバン」。
同じ馬の革といえども鞣しの違いや革の部位によってこんなに差が出るんです。革の世界はとても奥が深い。
馬のお尻のみを使用した「コードバン」
コードバンは馬の臀部(お尻)部分だけを使用した革です。
1頭から採れるコードバンの量はごくわずかで、その希少性と質の高さにより高級革として知られています。
コードバンに関しては繊維密度が牛革のおよそ3~5倍高密度と言われ、強度や耐久性も非常に高いです。
表面は美しい光沢を放ち、硬くてハリがある革であることから紳士用の
カチッとした財布や名刺入れ・キーケース・メンズバッグなどの革製品に利用されています。
コードバンは革の価格自体が高いので、ほとんどのブランドは表地だけコードバンを使用し、
中の革は別のものか布生地にしたりして革製品としての販売価格を抑えています。
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知っておくべき「ホースヌメ」のエイジングの魅力
馬革は軽くて柔らかいということに触れましたが、その特性にもう一味加えた素晴らしいホースレザーがあります。
それは天然の植物性のなめし剤のみでなめされたホースヌメ革です。
フルベジタブルタンニンなめしということはエイジング(経年変化)が楽しめるということになります。
この革はフルベジタブルタンニンなめしにより柔らかく革をなめした後、蜜蝋などのオイルを塗りこみ、
そこから軽く革を揉むことにより、自然な風合いを出しています。
この揉み加工から出る「シボ」は上品で自然な風合いを出しています。
この”自然な風合い”を出すのがタンナー(革生地の作り手)の腕の見せ所です。
また、『使っていくうちにどのようにオイルが溶け出て、経年変化をもたらすのか』まで計算し作られています。
プルアップレザーと言われるこの革は、何度も試験制作を重ねた結果に生み出された技術の結晶の革であり、ひとつの“作品”です。
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使い込むほど美しく輝く「プルアップレザー」
プルアップレザーの革を指先で押すと、オイルがじわっと革の繊維から浮き出て、
繊維に沿って美しい白いラインが浮かび上がります。
使い込んでシワが付いても徐々にオイルが溶け出し絶妙の”ツヤ”をもたらせてくれます。
さらに浮き出たオイルが、しっとりした自然な手触りと、使い込むほどに美しく輝く独特のツヤを生みだします。
また、革は爪傷などでキズつきやすいのですが、指先でこするとオイルが溶け出しキズも目立たなくなります。
こだわりを持って作った上級のプルアップレザーにだけ訪れる独特な経年変化であり、
すべての革から得られるものではありません。
高価ではありますが長く使え、革を育てるという楽しみを味わうことができます。
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今回はこの辺りで。
次回もレザーについてのあれこれをご紹介いたします。
それではまた次回。