馬革、コードバンとは?「馬革と牛革」の違いと馬革の魅力
柔らかく、手に馴染みやすい馬革「ホースレザー」
日ごろから運動量が多く筋肉質な馬は身軽に動けるよう薄く柔らかい革であるのが特徴です。
革の厚みや強度は牛に劣りますがその特性を生かして家具や衣服などにも利用されます。
しなやかな馬革の中でも天然の植物性なめし剤のみでなめされた「ホースヌメ」と言われる革は使うほどに経年変化を楽しめる革です。
また、お財布などの革小物の中で最も耳にするであろう「コードバン」と言われる革も馬革で、馬のお尻部分だけを使った硬質な革になります。
軽くやわらかい「ホースレザー」に対して、硬くてハリがある「コードバン」。
同じ馬の革といえども鞣しの違いや革の部位によって差が生まれます。
そんなホースレザーの中でも代表的な「ホースヌメ」と「コードバン」についてまずはご紹介いたします。
美しいエイジングが魅力の「ホースヌメ」
馬革は軽くて柔らかいということに触れましたが、その特性にもう一味加えた「ホースヌメ」
天然の植物性のなめし剤でなめされた革です。
タンニンなめしにより柔らかく革をなめした後、蜜蝋などのオイルを塗りこみ、
そこから軽く革を揉むことにより、自然な風合いを出しています。
この揉み加工から出るちりめん状のシワは「シボ」と呼ばれ上品で自然な革本来の美しさがあります。
また、使っていくうちにオイルが溶け出て、経年変化を楽しむことができます。
馬のお尻のみを使用した「コードバン」
「コードバン」とは馬のお尻部分から取れる部分を指します。
お尻部分は一頭から取れる量に限りがあり、希少性が非常に高いのでとても高価な革です。
コードバンに関しては繊維密度が牛革のおよそ3~5倍高密度と言われ、強度や耐久性も非常に高いです。
馬革の中でもコードバンには牛革以上の強度があり、とても滑らかで艶があります。
そんな様から「革のダイヤモンド」や「革の王様」と呼ばれることも。
コードバンで有名なものは1905年アメリカで創業されたホーウィン社の「シェルコードバン」があります。
植物タンニンなめしでじっくり時間をかけて仕上げたレザーはとても滑らかで他よりも美しいエイジングをお楽しみいただけるのも特徴です。
表面は美しい光沢を放ち、硬くてハリがある革であることから紳士用の
カチッとした財布や名刺入れ・キーケース・メンズバッグなどの革製品に利用されています。
部位によって違う馬革の特徴
馬革には使用する部位によってもそれぞれ特徴があります。
最も有名な物であれば「コードバン」が代表的でしょうか。
その他にも「ホースフロント」や「ホースハイド」などあまり耳にすることも少ないかと思いますが、
それぞれに魅力があります。
まずは「ホースフロント」こちらは馬の首の部分の革を使用したレザーです。
年齢の若い馬から使用することが多く、キメ細やかでなめらかな質感が特徴的です。
ジャケットなどの衣類に使用されることが多い革です。
次に「ホースハイド」ですがハイド(hide)とは動物のことを意味し、大人になった馬の胴体部分を使用します。
柔らかく、伸びが良い質感で牛革と比べると密度が低く耐久性はやや劣りますがソファーなどの家具に多く使われるレザーです。
馬革と牛革の違い
ここまで馬革の特徴をご紹介してきましたが馬革と牛革の分かりやすい違いは強度です。
一般的には牛革の方が強いといわれますが、理由には革の厚さが強く関係しています。
とは言いつつも決して馬革の強度が低いというわけではなく馬革は筋肉繊維が密で強いため、薄くしなやかさがありつつ革本来の強度はしっかりとあります。
強くて軽くて柔らかいという特徴を持つ馬革はインテリア、レザーウェアなどに多く使われ、財布などの男性用メンズ革小物にも使用されています。
馬革も牛革も鞣す過程や使用する部位によってそれぞれに特徴と魅力があります。
風合いやエイジングの変化を意識してお買い物いただくとより良い出会いがあるのではないでしょうか。